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《以下の文章は、『忍たまたちがもし、スタンドを使えたら』ということを前提に書かれた妄想文です。
スタンドを知らない方は「ジョジョ スタンド」でググってみてください。
内容はひたすらおバカですが、先代作法委員長やらオリキャラやら、仙蔵と文次郎のシリアス過去捏造などがあります。
ご本家様とは何ら関係ないばかりか縁もゆかりもございません。そして時代考証など完全に無視しております。訴えないで☆》
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炎の向こうから、
聞きなれた声がした。
――― ギンギンギン
仙蔵(文次郎?)
突然、襲い掛かってくる炎の津波を裂き、文次郎が飛び出してきた。
いや、あれは…
『コウニン・カイケイシ』だ!!
スローモーションのように、『コウニン・カイケイシ』が自分の方へ飛んでくる。
その瞬間、炎の波がすべてを喰らった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あれからしばらくたった。
突然の爆発で、例の砦は壊滅した。
学園長の尽力で、表向きは『内部にすでに敵国の者が忍び込んでおり敗戦した』ということになったが、
実際には仙蔵のスタンドの暴発で、砦が壊滅したのだった。
生存者やその後の砦のことは仙蔵に何も知らされなかった。
しばらく、忍務失敗の罰として、長屋の一人部屋への謹慎となったが、
失敗の大きさに比べれば…軽い罰だ。
おそらく学園長は、仙蔵一人で背負いきれる責任ではないと判断したのだろう。
なにより、本人が一番自分を責めている。
そして、まだわからなかったとはいえ、スタンドを使いこなせてもいない未熟なものに任せた責任も感じていたのだろう。
誰も何も責めなかった。
文次郎といえば…
あの時、砦に侵入したものの違和感を感じ、一度脱出していた。
が、仙蔵が戻らないのを懸念し、様子をうかがっていたところ、火の手が上がったため、
嫌な予感がし、一気にスタンドを突っ込んだそうだ。
スタンドがダメージを喰らえば、本体もダメージを喰らう。
拘束されていた仙蔵を炎から守り、なんとか砦を脱出したとはいえ、
上級生に発見された直後は、全身に火傷を負い、意識不明の重体であった。
かろうじて発見が早く、応急処置が良かったため、回復は早かった。
1か月もするころには、もう普通に生活できるようになった。
大体、元通りだ。
大体…とは?
仙蔵だけがもとに戻らないのだ。
文次郎「おい!!いつまで辛気臭い顔してるつもりだ!!仙蔵!!」
仙蔵「…。」
文次郎の前には、浮かない顔の仙蔵がいる。
医務室から自室へと戻った文次郎の見舞いに来たはずなのだが…逆に文次郎に叱咤されてしまった。
文次郎「前にも言ったけどな。あれは俺自身の判断で飛び込んだんだ。俺の責任だよ。
それに、見た目は派手だったが、実際怪我は大したことなかったじゃないか。
今じゃ痕も残ってねぇ。なのに、何をそんなに悩んでんだ?
忍務に失敗したとはいえ、ありゃあ、もう事故としか言いようがない。
実際、あのままだったら、お前自身が死んでたんだ!!
生きてるだけでも、もうけものと思うより、仕方ねぇよ!!」
仙蔵「…お前はいいな。思考回路が単純で。」
文次郎「はぁ?何言いだすんだいったい?」
仙蔵「私が気になっているのは、私自信の能力だ。
切羽詰まった状況とはいえ、自分にあんな力があるとは思ってもみなかった。
しかも、まだまだ成長する予感がするのだ。いや、確実に強力になるだろう…。
一歩間違えれば、国一つ簡単に吹き飛ぶ。
しかも、無差別だ!自分自身まで巻き込む!!
…実際助けに来てくれた、お前まで巻き込んで重傷を負わせてしまった…。」
文次郎「…。」
仙蔵「今はまだいい!!私の力もまだ弱い!
しかし、これほど確実に、すべてを消滅させてしまう力はなかなかない。
私にその気がなくとも、周りが放っておかんだろう?
もし、万が一…同情や一瞬の迷いで、私の心に隙ができ、そこに付け込まれてしまったら
…私は殺人兵器になるのか!?こんな力を持ったばかりに。」
文次郎「…なるわけねぇよ。」
仙蔵「本当にそういえるのか!?
もし…相手を殺してしまってから、間違いだったと気づいても…もうどうしようもないのだぞ!!
たくさんの人の命と…その人々のそれまでの人生を一瞬で奪うのだぞ!!
償えるか!?私には償いきれん!!」
文次郎「『忍者にとって大切なのは正心!!これがなければ盗賊とかわらん!!』
そう教わっただろう!!まだ理解していなかったのか!?仙蔵!?」
まくしたてる仙蔵を止めるように、文次郎は大声で怒鳴りつけた。
一息ついて、文次郎は話し出した。
文次郎「忍者は忍務をこなすことが最優先の仕事だ。
それは、時に他人の人生を破壊してしまうこともあるかもしれん。
それについては俺も気分良くは思っていない。」
仙蔵「…。」
文次郎「だが、人間は生きている以上、何かのために生きねばならん。
それは、金とか名誉とか、ましてや自分のその日その日の食い物のためではないはずだ。
俺たちは運よく、読み書きそろばんだけでなく、人として大切なことを学ぶことができる場所にいる。
人間が、気の遠くなる年月をかけて積み上げてきた知識や技術、精神を、
自分がその気になればいくらでも身につけることができるんだ。
そして、その中で何がこれからの人の暮らしや時代にとって重要か、考えることができるんだ。
俺は『正しい心』とは、人間の進歩に役立つ、良い人間を支える心だと思っている。
人間の進歩に貢献できる能力を持ち、なおかつそれを実行できる勇気。
そして、そんな能力を持ったとしても決して驕らず、慢心せず、
ましてや他人の過ちを責めたり、制裁する資格があると思いあがることのないよう自制する心。
それが、俺たちには必要だと思っている。」
仙蔵「……。」
文次郎「一つ言っておくが…仙蔵、
正しい心に従って行動したいと思っている人間でなければ、自分の過ちを悔いたり、苦しい思いをしたりはしない。
逆に言えば、その苦しみがあるからこそ、良心が薄れず、真理を見る目を曇らさずにいれるんだ。
お前には良心がきちんとある。そして、正しい心に従って生きようともがいている。
だから、お前がそれを忘れない限り、道を誤ることはない。
それについては、自信を持っていい。」
仙蔵「……そうか。」
文次郎「…と、偉そうなことを言ったが、俺だってこの半分も理解できてる自信はない!
まだまだ悩むのだろうし、答えなんて出ないだろう。
一生かけて問うようなものだ。
鍛練と一緒だ。日々やらなければ意味がない。
俺はそのことを忘れずにいたい。そしてそのために日々学んでいるだけだ!!」
なぁ、そうだろう、仙蔵。
そう声をかけられ、仙蔵は顔を上げた。
その顔は、どこか救われたような、ほっと緊張が解けたような表情を浮かべていた。
仙蔵「そうか…そうだな……
…ありがとう、文次郎。」
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2012/01/21 ♪忍たま小説♪ Trackback() Comment(0)
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