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2025/01/09

【六いの奇妙なRKRN その5】

《以下の文章は、『忍たまたちがもし、スタンドを使えたら』ということを前提に書かれた妄想文です。
スタンドを知らない方は「ジョジョ スタンド」でググってみてください。
内容はひたすらおバカですが、先代作法委員長やらオリキャラやら、仙蔵と文次郎のシリアス過去捏造などがあります。
ご本家様とは何ら関係ないばかりか縁もゆかりもございません。そして時代考証など完全に無視しております。訴えないで☆》


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文次郎「…なんだ?人の顔じろじろ見やがって…。」

仙蔵「いや、こんな暑苦しい顔の奴に、私は2度救われたのだということを思い出してな。」

文次郎「やかましい!!いいからさっさと準備して行って来い!!」

仙蔵「おや、か弱い乙女にそんなことを言うのかな?
   今日の私は、おしとやかなお嬢さんなのだぞ?」

見れば、しっかり着付けと化粧を終え、完璧な女装をしている仙蔵。
今日はこれから女装して、忍務に赴くようだ。

文次郎「まったく!女装となるとすぐこれだ!!
    人が似あわないのをいいことに、あれこれ言いやがって!!
    お前は『たまたま』女装も似合う運命だったんだ!!
    それでいて『たまたま』女装を生かせるような人生を歩んでいるだけなんだぞ!!

    神様なんて奴が本当にいるのだとしたら、そいつにうんと感謝するんだな!!

    …まあ、忍務は忍務だ。気を付けて行けよ。」

仙蔵「あぁ…失敗などするものか。」

のどかな農道を通って、街の方向へと向かう。
今日はいい天気だ。
確かに、神様というものがいたら、こんな時は感謝もしたくなるだろう。
雨の日には火薬はしけるし、女装では動きづらい。
髪の毛もうまくまとまらない。スタンドも使いにくくなる。

…あれから、仙蔵は自分自身の力と向き合い、制御する術を身に着けた。
予想通り、成長し続けた力は強大で、普段の生活には使えない。
だが、努力した結果、攻撃の規模を調節したり、勝手に発動しないようにすることができるようになった。
おまけに、振り向きざまに顔面に当てるなど、くだらない技を使うこともできるようになった。
…もっとも、そんな技を使うのは、気心知れた同室者だけだが…。

仙蔵(こういう力を与えられた運命なのだからな。
   そこから逃げても眼をそむけても、負けの人生しかない。

   普通の人生が良いとか、無難な人生が良いとかうらやましく思うこともあるが…。
   似合わない人生を送ることの方が、きっと不幸せだろう…。)

そのきっかけを与えてくれた文次郎だが…
彼もあの時点でそこまで達観していたのかと言われれば、疑問が残る。
なぜならあの時、一気に成長したのは彼もまた同じであったからだ。

仙蔵(…誰かさんに入れ知恵されたのかもしれんが…今となっては知らない方がよいだろう。
   きっと、あの人もまた、あの里の件ではつらかったのだ。)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


長屋から仙蔵の足音が去ったのを確認し、
文次郎は天井に声をかけた。

文次郎「…これで、よかったんですかね。一応、言われた通りのことを言いましたけど…。」

作法委員長「十分、十分。上出来だよ、文次郎。」


天井からひょこっと顔を出したのは六年生の作法委員長。
どうやら、文次郎に入れ知恵したのはこの飄々とした先輩だったらしい。


作法委員長「あの子はねぇ~。おそらく私から言ってもきっと自分を責め続けると思うんだよ。
      それでなくとも、答えの見えないような現実を見てしまった上に、
      力が暴走した結果、取り返しのつかないことをしてしまったんだ。


      別に仙蔵が悪いわけじゃない。そうしなければ、立花仙蔵という命とその人生がなくなってしまったんだ。
      そして、忍術学園に関わっている人間の命と人生が狂ってしまったかもしれないんだ。
      これはもう、誰が悪いとか正しいとかいう問題じゃない。
      けど、すでに結果として出てしまったものは消せやしないだろう?
      一生、心のどこかで問い続けることになるだろうよ…良い悪いは別としてね。
      
      それに、勘のいいあの子のことだ。
      気づかなくていいことまで、そのうち気づくだろう。
      そのときに、また今のように苦しむことになれば、もうこの世界にはいられない。
      私はそれはもったいないことと思うのだよ。
      人として大切な精神を持った人間というのは、なかなかいないからね。
      
      …また、いろんなことで悩ませるかもしれないけどさ、
      …その時は、仙蔵を…助けて、くれないか。」

文次郎「…当たり前…です…同室ですから…。」

普段、飄々としてつかみどころのないこの上級生から、なんだかただならぬ空気を感じて文次郎は言いよどんだ。

悲しげで、悔しくて…それでいて、自分たちを見守りたいと思っているような。

よくはわからなかった。だが、きっと、何かあるのだ。

文次郎は作法委員長の目をじっと見つめた。
周りの景色を、すべて冷静に映し出すような湖のような目だ。
あまりにはっきりとものを映しすぎて、なんとなく、悲しい言い伝えがある湖にも見える。
文次郎の視線に、何か気が付いたのか
作法委員長はこう言って、天井裏へと引っ込んでいった。

作法委員長「仙蔵を、よろしく頼むよ…文次郎。」

きっと、彼は最後まで何も言わない。


次の春、彼は去って行ったが、

本当に何も言わなかった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


授業も終わり、日も傾いてきた。
ここは六年長屋い組部屋。
文次郎は自室で、苦無の手入れをしていた。


だかだかだかだか


ばんっ!!


仙蔵「文次郎!!私はしばらく女装が絡む忍務はやらんぞーー!!!」

文次郎「はぁ?…今度はどうした?」

仙蔵「もう我慢ならん!!
   今日は女装してカステーラさんの護衛をしたのだがな!!
   そしたら同行していたカステーラさんの同僚からな!!
   『オー!!ジャッパニーズ・ゲイシャー!!チョウチョウサーン!!』とか言われたのだぞ!!
   誰が芸者だ!!蝶々夫人だ!!そんな年増に見えるのか!?」

文次郎「………。」

こりゃまた面倒なことになりそうだ…。
そう思う文次郎の前で…自称・可憐な少女は…しばらくすごい剣幕で女装は嫌だとごね続けるのであった。


  *END*


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仙蔵 スタンド:サホー・サラスト
   (仙蔵の髪の毛を実態としたスタンド。普段は、『振り向きざまにわざと顔面に当てて地味に痛い攻撃』ができる。
    基本的に仙蔵がやる気を出さないと、地味な攻撃しかできないため、いまだに実力がわからない。が、
    『お前に予備はない』というセリフとともに必殺技が繰り出され、それを見たものは帰ってこれないという噂がある。
    厳禁後にはしばらく使い物にならない。)

文次郎 スタンド:コウニン・カイケイシ
   (100キロそろばんを両手に持ち、2本のクナイを頭に角のようにつけた文次郎の姿をしている。
    必殺技は、100キロそろばんを高速で相手に打ち込む『ギンギンラッシュ』ラッシュ時の掛け声は『ギンギンギンギン』
    小平太のハカイシンには劣るが、パワーとスピードのあるスタンド。そのほか、『炎の予算会議』『決算明けの朝』など、技のバリエーションが多い。
    倒しても、その夜から毎晩のように小型の霊体が枕元に立ち続け、『1円合わない!!ギンギン!!1円合わない!!ギンギン!!』とうるさい。)

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2012/01/22 ♪忍たま小説♪ Trackback() Comment(0)

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