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《以下の文章は、兵太夫の妄想文です。 内容はひたすら妄想ですが、兵太夫の過去捏造・実家設定捏造などがあります。オリキャラ満載です。
特に回想部分は、子供の虐待に近い表現があり、人によっては気分を害するかもしれません。 そのそれに対する登場人物たちのアドバイスがありますが、あくまで素人の小説なので、肯定しないでください。
中二病的発言は、華麗にスルーしてください。お願いです。
もちろんご本家様とは何ら関係ないばかりか縁もゆかりもございません。そして時代考証など完全に無視しております。訴えないで☆》
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忍術学園の朝は早い。
毎日、長屋で寝起きし、
教科の授業を受け、実技を習い、
ご飯を食べ、風呂に入って寝る。
見る物も合う人も知らないことだらけだったが、
みんなと一緒に、食べるご飯はおいしかった。
長屋は忍者屋敷なので、あちこちに生徒が作った仕掛けがある。
掛け軸の裏に抜け穴はもちろん、
床下や天井からから突然出てくる先輩、
たまに漆喰や豆腐が飛んでくることもある。
しばらくすると、自然にみんなの名前と顔を覚えていた。
仏頂面でいたくとも、1人になりたくても、誰かが放っておかない。
同じ部屋になった三治郎は、いつもニコニコ話しかけてくる。
誰かしら廊下を走っては、先生に怒られ、
掃除の時間には、チャンバラして伊助に怒られ、
風呂に入れば、お湯の掛け合いから、大騒ぎに発展した。
退屈する暇も、寂しいと思う暇も与えてくれなかった。
これだけ周りが騒がしいと、
一人、意固地になっている方が馬鹿馬鹿しくなってくる。
真冬にいくら雪がつもり、家や人々の暮らしが埋もれようとも、
春になれば、どれだけ大きな雪の壁であろうと
すべていつの間にかすべて溶けていく。
雪解けの穏やかな空気の中、青々とした緑が芽吹いていくのを、兵太夫は自分の心で感じ取っていた。
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力強い日差しと、むせ返る草のにおいがする。
もうすぐきらきら光る川の水が恋しくなる季節だ。
廊下で兵太夫が、ぼんやりと「もうすぐ夏休みか…」ともの思いにふけっていたころ
「おーい兵太夫~~!!」
庭先で呼ぶ声がする。
目を向けると、同じ1年は組の団蔵が、手を振っている。
何のかげりもない眩しい笑顔だ。
つい呼んでいる方へ駈け出してしまう。
「なに?団蔵―――…
…うわぁぁぁーーーーー!!!!!」
団蔵にあと数歩というところで、急に地面がなくなった。
ドスンと落ちた先で目を開けると、夏なのに暗くてひんやりとした土の中…。
兵太夫は直径1メートルはあろうかという穴に落ちていた。
「なんだよ!このでっかい穴!!」
幸い浅かったので、すぐに這い出だした。
いたずらの主は、まぶしい日差しを背中にして、顔をくしゃくしゃにして笑っている。
「すごいだろ!!
綾部先輩が掘ったタコツボ、もらったんだ!
こんだけでかけりゃ、誰かしらひっかけたくなるじゃないか~!」
「毎日掃除もしないで、なにしてるのかと思ったら!
落とし穴作ってたのかよ!」
ごめんごめんと謝りながら差し出された手。
強い力で引っ張り上げられながら、単純ないたずらに見事に引っかかってしまったことに兵太夫はふてくされていた。
「…。」
「? どうしたの?」
そんな自分の顔を団蔵が不思議そうに見ていたので、思わず問いかけた。すると、
「いや、兵太夫もそんな膨れたモチみたいな顔すんだなーって思って!
もっと冷めた反応するのかと思ってたよ!
面白いなー!!」
そしてまたげらげらと笑いだす。
そんないたずらの主を見ながら、
お返しに何かイタズラしてやろうと思った。
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