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≪以下の文章は世界が一巡、二巡した後ぐらいのお話です。完全なる我が家設定です。
あと、イタリアの風習や文化などいろいろ無視しております。訴えないで☆≫
☆我が家設定
・原作終了後なのに、みんな生きてる。
・でもジョルノがボスになってる、この不思議。
・そんでもって、親バカ・パードレと一緒に暮らしてる。
・他のみんなは幹部になってるんだな、トリッシュは時たま遊びに来るんだな。
・ナランチャ「俺は学校に通ってるぞー!!ジョジョー!!」
=============================================
≪フーゴ&ナランチャで、完全なるギャグです。
ジャンルは女体化・blになりますが、甘さや切ない恋心を求めてはいけません。
恋愛要素は限りなく皆無に近い微量です。
・フーゴが何らかの事情で女の子になります。かろうじてナラフーです。
・護衛も暗殺もみんな元気ですが、みんなおバカです。
・ナランチャは絶賛・思春期男子です。
・そしてうちのフーゴは母ちゃんです。
そんなナラフーなど認めん!!という方は、閲覧をお控えください。≫
=============================================
フー「いやあ、お騒がせしました。」
数日後の執務室。
明るい光の中にいたのは、元の姿に戻ったフーゴ。
端正な顔とすらりとした手足は変わらないが、背丈が伸び、全体的に男性らしい硬質な質感になっている。
ジョル「元はと言えば、ただのとばっちりですからね。お疲れ様でした。」
フー「まあ…貴重な経験をしましたね。
怪我もしてないのに『元の体に戻す』なんて、あまり気分のいいものではなかったですが…。」
数日前、執務室でジョルノに相談されたポルナレフが提案したのは、かつての戦友・承太郎の年下の叔父・仗助の力を
借りること、だった。
ちょうど学校が長期休みに入るとのことだったため、わざわざ日本からイタリアまで来てもらい、
フーゴをもとに戻してもらったというのが事の顛末だ。
ジョル「まあ、もう一度ポルナレフを矢で刺すよりは、ずっと確実な方法ですから。」
フーゴにソファーをすすめ、ジョルノは自ら紅茶を入れていく。
執務室の周りには誰もいない。
ジョルノの意向で、ときたま以前のように気兼ねなく紅茶を飲む習慣が最近できつつある。
ギャングという表の看板に反して、なんとものどかな光景だ。
ジョル「わざわざ呼びつけたのに、ジョースケが『ついでにイタリア旅行もできて得したっすよ~』なんて気楽に言う
んですから。
こちらの気も軽くなりましたよ。
奇妙な家族の縁ですが、僕は良い親類を持ちました。」
フー「僕より年下と聞きましたが、人間が出来てますね、彼。
東洋人は年齢より年下に見えるというし、君や僕と同じぐらいかと思ったんですが…。
あれで、ナランチャと同じ年というんですから、不思議なもんです。」
ジョル「ああ、それはそうと、ナランチャのことはどうするつもりです?」
突然の思いがけない質問に、フーゴが目を瞬かせる。
フー「?? ナランチャのことですか?
とりあえず、ペッシの漫画本の件は解決しましたが。
ちゃんと漫画本を新しく買って、お詫びに新刊もつけましたし…。
僕も一緒についていきましたが、保護者もしぶしぶ納得してくれたようなので…」
ジョル「あー…そのことではなく…。」
思ったことと違う話題が出てしまったため、会話を遮るジョルノ。
他のチームとの小競り合いの顛末は、仕事上重要だが。
好奇心から聞きたかったのはこのことではない。
ジョル「あれだけあなたのことを可愛い!可愛い!と騒いでいたことですよ。
あなたのことですから、無下に突っぱねたわけでもないでしょう?
かわいい弟分でもあるんですから。」
フー「ああ、そのことですか。」
何を聞かれているのか合点がいったようで、フーゴもふっと笑う。
紅茶を一口、口に運んでゆっくりとカップを置く。
フー「何も変わりませんよ、以前も今も、僕にとっては『かわいい人』です。」
なるほど…と、満足する答えが聞けたのか、ジョルノも静かに紅茶を口に運んだ。
いつしか強い日差しは去り、柔らかな陽が差し込む時間になっていった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その数日後――
フー「ナランチャ!君またやらかしましたね!
僕に叱られるの、いったい何度目だと思ってるんですか!!!」
ナラ「ぶーぶー。」
フー「何ですか、17にもなってぶーぶー言って!」
ナラ「ちげーよ!!マナーモードだよ!
『おかけになったナランチャは~電波の届かないところにおられるか~
マナーモードになっておりまーす。』」
フー「バカか!!
大体、工事現場のカラーコーンで戦隊ロボットごっこなんて、高校生のやる事じゃないでしょう!
工事現場のおじさんたちも笑って呆れてましたよ!
カラーコーン腕にはめて、何が『巨大ドリル!装着!!』ですか!!
まったくもう恥ずかしいったら…。
しかも、ペッシまで一緒になってバカやってんですから…
向こうも向こうで、お兄さんと親御さんにこってり絞られているでしょうけど…。」
ナラ「プロシュートはペッシの兄ちゃんでもねーし、リゾットは親父さんでもねーよ!!
それ言うなら、フーゴだってかーちゃんじゃねーか!
俺年下なんだからよ~大目に見てくれよ!!」
フー「ああっ!こんな時ばっかり、年下アピールして!
全っ然!かわいくないわ!!」
事務所に来るなり、フーゴに小言を言われるナランチャを、
一息入れに来たジョルノが見つめている。
ジョル「なんだかんだと、いつも通りの日々に戻ってますね。」
ミスタ「まあ、この方が安心するっつーか、ほっとするけどよ…。
見慣れたもんが一番だな…。」
ジョル「まあここ数日も楽しかったですし。僕は満足ですよ。
会ってみたいと思っていた、親類にも会えましたしね。
ふむ…一度、ゆっくり日本に行ってみるもの悪くないですね…
今度は僕から会いに行く、という体で…。」
ミスタ「行ってもいいがな…。
…親父さんのように、急に国際便乗るようなことはやめてくれよ…。」
ボスの不穏なつぶやきにすかさず釘をさす、側近の鏡・ミスタ。
冗談ですよと言いながら、ニコニコと笑う少年。
この少年が、突然、「六本木の歌舞伎町に行きたい!」といって日本に行き、
案の定迷子になった行動力ある親父の息子であることに、一抹の不安を隠せない側近のミスタだった…。
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【like_a_girl 番外編】
一方こちらは、旧暗殺チームのアジト。
リーダーであるリゾットが、いつにもまして難しい顔をしている。
手にはテレビの黒いリモコンと、エアコンの白いリモコン…。
リーダ-のただならぬ雰囲気に、たまらずプロシュートが声をかけた。
プロ「どうした、リゾット?
そのリモコンが何か気になるのか?」
リゾ「いや…どうもうちの言葉遣いが乱れているというか…正しく使われていないと感じたのでな…。
若い者も多いことだし、これから困ることがないように他の家庭と同じようにした方が良いかと…
それで、考えたのだがな…リモコンは『ピッピコ』より『カチャカチャ』の方が良いのではないかと…。」
プロ「どうでもいい!!至極どうでもいいぞ、リゾット!!」
END
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さて、リゾットと私的すぎるぐらい私的な小競合いがあった次の日。
若きパッショーネのボスは、執務室の机で小さなお客に向かい語りかけていた。
つぶらな瞳のお客の正体は、カメ。
甲羅の中の部屋にポルナレフが住んでいる、ココ・ジャンボだ。
一通り挨拶が終わったのか、中の住人がひょっと出てくる。
飄々と話すカメより小さな人間に、ジョルノは難しい顔を近づけて本題に入っていった。
ジョル「いろいろ探ってみましたが…今回のフーゴの件、どうもそちらから何か影響が出ているようですのでね。
何か心当たりなどありませんか?
その日のこと、特に夜から朝にかけて、思い出せる事は思い出してください。」
ポル「いや…まああると言えばあるんだな…。」
どうもバツの悪そうに歯切れ悪く話す、小さなポルナレフ。
歴戦の戦士も、この若いボスには頭が上がらない。
ポル「あの日、日課のラジオ体操をしようとしたのだが…朝の地震でラジオ体操が中止になってな、
その代わりに、チャリオッツとチャンバラしてたんだが…。」
ジョル「いい年こいて何やってんですか…。」
ポル「それでな、チャンバラしたその拍子にタンスの引き出しの中身をぶちまけてな、
その中にスタンドの矢の矢じりが入っていて…
それが床に跳ね返って、いかんともしがたいところに直撃してな…。」
ジョル「いかんともしがたいところ?」
ポル「いかんともしがたいところだ…それ以上は言えん。察っせ。」
ジョル「…。」
ポル「それで…『ちくしょう!女だったら、人生楽なのによ!』と悪態ついたもんだから…。」
ジョル「はい、分かりました、原因はあなたですね。
女性だったら楽なんて、まあ…政治家なら失言退任です。
この場にトリッシュがいないことに感謝してください。
スパイスガールズでいかんともしがたいところが、「やわらかいまんま」になるところでしたよ…。」
ポル「面目ない。」
ふぅーと一息吐き、ジョルノは椅子に座ったまま、くるくる回る。
どう解決しようかと思案しているようだ。
ジョル「まあ、スタンドの矢は使用すれば何が起こるか分からないですからね…発言以外の結果は責めません。
が…ただ元に戻すとなると…。
僕のゴールド・エクスペリエンス・レクイエムではどうにも…。
たとえ『フーゴが変化しない』という真実にたどり着かせ無いようにしても、
毎朝何かしらトラブルが起こることにはなってしまいますからね。」
元に戻す…元に…とブツブツつぶやくジョルノ。
その呟きを聞いて、騒動の元凶が何かを思いついたようだ。
ポル「ただ単に『元に戻す』なら、ピッタリの奴がいるぜ?」
>>NEXT
5年ほど放置していたジョジョ小説、発掘してきました!!
かなり昔なので、今とテンションが思いっきり違いますが…温かい目で見ていただければ幸いです…。
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・そしてうちのフーゴは母ちゃんです。
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なんとか港の波止場まで逃げてきた。
ナランチャは、隣にフーゴをおろし、海側に脚を投げ出して、寝そべった。
ナラ「大丈夫か?フーゴ??
さっきっから一言もしゃべってねぇけど…。
怪我してないか??」
フー「えぇ…。
いきなり俵担ぎにされるわ、リモコンはピッピコだわ…
どっからツッこんでいいのかわからず、
空気と化してましたが…。大丈夫です。」
ナラ「あー…ならよかったわ…。」
ほっとしたように目をつぶるナランチャ。
へたりと腰を下ろして、フーゴはふと海に目をむけた。
陽が傾き、港に戻る船の音が静かに響き消えていく。
隣の呼吸音も、それに合わせて落ち着いていく。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ナラ「あ~、この一日の仕事が終わってよぉ~
夕日見ながらジェラート食ってる時が一番幸せだぜぇーー!!」
フー「今日はもう仕事も何もあったもんじゃないでしょう。
まあさすがに不可抗力ですよね、今回のは。」
近くにあった屋台で買ったジェラートが、走って火照った体にはとてもおいしい。
波止場の階段になっているところに並んで腰掛け、2人は海を見ながら食べている。
いつの間にか空はオレンジ色に染まり、明日の天気は快晴だと告げていた。
ふと、フーゴが手を止め横を見ると、無邪気に「うまいうまい」と食べているナランチャがいる。
フー「ふふっ」
ナラ「なに?なんかまた口の周りについてるとか?」
フー「まあそれもありますがね…。」
じっと隣の見る。
いつも小柄な体格が、今日は華奢に見えない。
細いが、しっかりと筋肉のついた腕と肩。
首回りも、幼い顔を乗っけているにしては、がっしりと太い。
フー「本当に、男の人なんですねぇ…。
いつもは華奢だ華奢だと思っていたんですけど…。」
ナラ「えぇっ!?それどーゆーことだよ!!俺は男だよ!
それに、ちゃんとフーゴのこと守ったじゃないかよ!!」
フー「いや、そういうことではなくて…自分が変わるといろいろ世界の見え方も変わるもんだなと…。
それとも、何ですか?いつもは頼りない俺だけど、今回は見直したろ!とでも?」
えぇ~~と不満げに向き直ったナランチャ。
いつのまにかジェラートは食べ終わって、口の周りを雑に拭いている。
ナラ「…あぁ~…いや、そうじゃなくて…。
だって、フーゴが怪我してねーか気になるじゃん!
ただの『心配』だよ!!」
うまく言い表せないのがもどかしいのか、ぷぅっと膨れてしまった。
が、どうもその「うまく言えない言葉」がフーゴの気に少し障ったようだ。
綺麗な眉をちょっとだけ顰め、切れ長の目でじっとナランチャを見つめる。
フー「守りたい…とでも思ったんですか?
気持ちはありがたいですけどね、
たとえ僕は、もともと女性として生まれてきたとしても、
守られて当然と思ってるような…メソメソ男の影に隠れてるような…
そんな女性にはならなかったと思いますよ。」
思いがけず問い詰められたような形になってしまった。
ナランチャは、しどろもどろしながら、「何を返せばいいか」いい言葉を探している。
今まではもぞもぞしているような、なにかはわからないけど、くすぐったい感じを
「なんとなく変な感じ」で済ませていたが…。
――これははっきり自分の言葉で「形」にしないと、フーゴにはちゃんと伝わらない。
「なんとなく」のままでは、お互いにズレができてしまいそうだ…。
自分で考えたことを、自分の口からでる、言葉で伝えなければ意味がない。――
悩み悩みながら、精一杯の言葉を紡いでいく。
ナラ「う、うん…いや、フーゴはきっと強いだろうけどよ。
…ってか、女でもパープル・ヘイズ出せんなら、なかなか勝てる奴いねぇって…。
う~ん…なんていうのかなぁ~??
フーゴが弱いって言ってるわけじゃなくて、
俺の方がさ、勝手に守らなきゃって思ってんだよ。
なんつーか…大事にしたいって感じかなぁ…。」
フー「…大事にしたい??」
ナラ「うん。」
意外な言葉にきょとんとするフーゴ。
そりゃあそうだ。仲が悪いわけではないが、喧嘩は派手にしてきたし、怪我もお互い結構負ったり負わせたりした。
――『大切な仲間だという意識は変わらない』、とナランチャは言いたいのだろう。
つたない言葉からも、十分理解はできるが、
それでも格下に見られて守られるのも、フーゴのプライドが許さない。
でもナランチャが向けてくる感情は何だろう?
彼の言う「大事にしたい」はちょっと違う。
彼が敬愛するブチャラティに対するものとも、他のメンバーに対するものとも。
…もちろん普段の自分に向けてくるものとも…。
きょとんとするフーゴの前で、
ナランチャはうんうん悩みながら、彼なりに言葉を選んで文章にしていた。
ナラ「ん~例えばさ、さっき、メタリカのパチンコ玉が飛んできたときによ。
俺思ったんだ。『フーゴには絶対当てさせねぇ!!』って。
今思ってみれば、フーゴはもともと男なんだし
今までいっぱい怪我もしてきてるから耐えられないってことはないんだろうけどさ、
なんていうかなぁ~フーゴに傷でもついたらって思ったら、俺が耐えらんなかったんだ。
たとえかすり傷でも…あんなほっそい腕や脚に怪我させてたら、俺は自分自身が許せなくなってたと思う。」
フー「…なぜです?」
ナラ「だってよぉ~もともとは俺とペッシの問題じゃねぇかぁ~。
保護者のリゾットが首突っ込んできたのは想定外だったがよ。
俺のせいでフーゴが怪我したら、俺は俺自身にムカついて、情けなくなってたぜ~!!」
フーゴ「…。」
フーゴ「ありがとうございます。
女だからとむやみやたらに守られていたら嫌でしたが…。
あなたの気持ちは嬉しいです。」
ナラ「え?そうか?
…えへへっ、フーゴが良かったってんなら、良かったよ。」
にかっとした顔で笑う。
フー「…それに、今まで気づきませんでしたが、
ナランチャ、君、小柄で痩せてますけど、結構筋肉ついてるんですね。
肩幅も意外とあるし、腹筋なんか、今の僕よりあるんじゃないんですか?」
ナラ「おう!!いつまでもひょろひょろじゃ、かっこわり―からな!!
今じゃ腹筋は、クラスで一番割れてんだぜ!!
どうよ?男らしーだろ?」
フー「まあ…確かに初めて会った時よりはたくましくなりましたね…。
でも、僕としては…君はその笑顔が一番ですよ。」
ナラ「そうか?
フーゴ、俺の笑った顔好きなのか?」
フー「えぇ、あなたの笑顔は好きですよ。
屈託なくて、明るくて。
オレンジ色の太陽みたいで…。
…魅力的ですよ。」
ナラ「えへへっ…そうか?
フーゴ…俺のこと好きか!!
じゃあ、俺のよm…」
バシッ!!
フー「それとこれとは話が別です。」
抱きつこうとしたナランチャの顔面を、容赦なく平手で受け止めるフーゴ。
ナラ「そうかよ?
俺だってそのうちブチャラティみたいになるかもしんないぜ?
そしたらフーゴもトリッシュみたいに、一途に俺のこと思うようになるかもよ!!」
いたずらっぽく笑う。
フー「…どっから来るんですか…その自信…。
というより、どうしてそんなに好きなんです?僕のことが?」
ナラ「えっ!!いやあのそのそれはそのだな…///」
フー「『美人だし、スタイルいいし、頭もいいし、仕事できるし、料理もうまい』からですか?
『キレなきゃ最高』な『自慢できる彼女』だからですか?」
ナラ「いや!!そりゃ違うよ!!
え~と、そりゃ美人で頭いいとこも好きだよ…。
けど、そればっかじゃないよ!!
なんていうか…フーゴは俺が世界で一番大事にしたいんだ。
たとえキレてもフーゴなら大好きだ!!」
フー「…。」
ナラ「だからさ!もし、ど~うしても体が戻らなくなった時は、俺の嫁になってくれよ!!
もとはといえば俺が無意識に望んだことなんだし。
責任はとるよ!!
仕事も危険なことはなるべくさせないように頼むから!
フーゴがこの仕事したいっていうんならそれもいいけど…。
もし、子供ができて仕事ができなくなっても、食いっぱぐれないように俺頑張るから!!
だからさ!お願い!!」
フー「……。」
ダメかな?
不安げな目で覗き込むナランチャ。
その顔を見て、
少し微笑aんで、
フーゴは応えた。
フー「そうですね…戻れれば一番いいんですが…。
もし、万が一の時には…
『不束者ですが、よろしくお願いします』…ね。」
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・そんでもって、親バカ・パードレと一緒に暮らしてる。
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リゾ「くっ…!!」
さっきまで優勢だった相手が、
額に手を当て、片膝をつき、体を支えている。
ナラ(なんだ…?いったい奴に何が―――)
注意深く相手の反応をうかがう…。
リゾ「やはり…だめか…散弾銃のように使うには…自分の血液だけでは…鉄分が少なすぎるっ!!」
ただの貧血か、リゾット。
ナラ「いやいやいや…ふつーに考えても、自分にもダメージ来るとわかんだろ!
自給自足にも限度あるわ!
ってか、あんたの技って、相手の鉄分利用するのがセオリーじゃなかったんかよ!!」
ゆっくりと身を起こすと、リゾットは低い声でナランチャに語りかけた。
リゾ「お前の所でもあるように、メンバーの喧嘩はうちでもよくあってな…。
その仲裁に能力を使っていたんだが…。
あんまりにもやりすぎると、メンバーがほぼ全員貧血になって働けないとか、よくあったのだ…。
幸い俺自身はなんとかなる…。だからこそ!体を張ってこの技を編み出したのだ!
メンバーの鉄分を消費させず!仲裁できる安全な方法をなっ!!」
バァァァァ~~~~ン!!
ナラ「…説明と効果音ありがとよ。
でも、それでいいのか?いい方法なのか?」
リゾ「やかましい!なんと言われようと俺の新技だ!
くらえ!『血戦境界~血の魔弾とカタストロフィー~』」
ナラ「うぉっ!!やめろぉ!!
ってか、技名だっせぇーーーーー!!!!」
と、叫んだところでぱったりと射撃が止まった。
また貧血か!?と思ったが、リゾットは腕をだらんと降ろしながらも、足はしっかりと立っている。
だが、目はうつろだ。
リゾ「…だっさい…。」
ようやく口から言葉がでた。
まだ目はうつろだ。
ナラ「お、おう…。
なんか変だぜ、その技名。
中二病みてーだし…。
俺だってつけねーよ!かっこわりぃ!!」
・・・・・・。
リゾ「ダサい!!変!!かっこ悪い!!
なんてことだ!!」
その場に膝からがくっと崩れ落ちるリゾット。
「中二病!三十路近くにもなって厨二病とは!!」と1人悶えている。
ナラ「え!?そんなショック??
というか、なんでそれでいけると思っちゃったの!?」
一通り悶えて、少し落ち着きを取り戻した、暗殺チームのリーダー。
うなだれながら立ち上がりこう答えた。
リゾ「いや、これはな…技名を披露した時に、ペッシに感想を聞いたのだがな…。
『うん…リーダー…それは…ヤバいと思うよ…。』としみじみ言われてな…。
それで決めたのだ!!」
ナラ「…いや、それダメだろ!!」
リゾ「なぜだ!?」
ナラ「『ヤバイ』ってことは、ダメだってことだろ!!
やめとけって意味で言ってたんだよ!!」
リゾ「何っ!?『ヤバイ』とは、褒め言葉ではなかったのか!?」
ナラ「な ん で だ よ !!
なんでそんなことになってんだよ!!!」
リゾ「…いや、メローネがよく飯時に『このボンゴレ・ビアンコ、ヤバイ!!うますぎ!!』と言ってるのを聞いてな…。
ギアッチョもこの前、『このビーズクッション、ヤベェーーー!!すげー癒されるぜぇーーーー!!!!!』
と新しいクッションのことを『ヤバイ!!ヤバイ!!』と連呼するもんだからな…。
うちではその日から、そのクッションは『ヤバイクッション』で通じるようになっているのだ!!」
どぉぉぉぉぉぉんん
…って、そんなこと効果音つけてドヤ顔で言うことでもないだろう、リゾット。
たまらず噴き出すナランチャ。
ナラ「ブハッ!!なんだそれ!!」
リゾ「おのれ!笑ったな!!
よくあるだろうが!!
どこの家庭にも、その家庭でしか通じない単語が!!」
ナラ「…いや、まあ、あるけどよ。
うちのチーム内でも、『テレビのリモコン取って』は『カチャカチャ取って』で通じるし…。」
リゾ「だろう!?
ちなみにうちのリモコンは『ピッピコ』だ!!」
おい、イタリアン・ギャング。なんだそのくだらない争いは。
とはいえ、くだらないが、スタンドの攻撃は通常通り。
破壊力まで落ちているわけではないので、うっかり喰らうわけにもいかない。
ナラ(特に…今の俺には不利だ。)
さっと体制を翻し、射程距離外へ全速力で走る。
後ろで構えるリゾットに、向かって、叫ぶ。
ナラ「連れがいるから、今日はひとまず逃げるわ!
ペッシにはよろしく言っといてくれ!!」
それだけ言い残して、ナランチャはダッシュで逃げた。
後ろから「この前、新刊が出たからな!返すときは一緒につけてやれ!」という声が聞こえたが…
多分ナランチャのことだから、きっと忘れるだろう。
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ナラ「あぶねっ!」
間一髪のところでよけた。
当たったところを見ると、歩道に小さな穴が開いている。
パチンコ玉だ。
―――確実にオレを狙ってやがった!
ナラ「誰だ!」
リゾ「俺だ…。」
迫力あるセクシーポーズを決めながら、姿を現すのは…。
旧暗殺チームのリーダー・リゾットであった。
ちなみに効果音「ドドドドド」はもれなくついている。
ナラ「俺だ、じゃねーよ!相変わらず、そんなセクシーポーズして出てくるなよ!」
しかしそんなツッコみにも動ぜず、いつもの無表情な目ではなく、
アサシンの目を向けている。
リゾ「ナランチャ…俺はお前を許さない…意味は分かるな…。」
(ヤバイ…こいつは怒っている!
何が原因かは分からないが…こいつは確実に俺を攻撃してくる!)
後ろに少女をかばいながら、警戒の体制をとる。
その様子を応戦の合図と取ったのか、このモノクロアサシンの口から、その怒りの宣戦布告が切り出された。
リゾ「分からんなら、お前の記憶から引きずりだしてやろう…。
ナランチャ!お前、
ペッシから借りた漫画にココアこぼしてくれたそうだな!!
許さんぞ!!
あれはペッシの大のお気に入りだったんだ!!」
ナラ「そのことかよ!!
ってか、その件についてはちゃんと謝ったって!!
そのうち弁償するってペッシにも言ってあんだからさぁーー!!」
リゾ「ならばなぜすぐ弁償しない!?
もう1か月もたってるんだぞ!?」
ナラ「いや俺、今、学校行ってるからさ!!
その分、任される仕事少ないもんだから、給料も少ねーんだよ!!
今月も生活費だけでカツカツで、給料日まで買い食いできねーぐらいなんだって!!」
リゾ「問答無用!!」
今度は散弾銃のように玉が飛んできた。
うわーっと逃げている様は、まるでギャグ漫画のようだ。
…が、走っていると、フーゴとの距離がどんどん離れていく。
ナラ「おっそい!!速く走れ!!」
フーゴ「…! …っ! …よっ!」
もう声が聞き取れない。
元の低く通る声なら何とかなっただろうが、今のフーゴの声は細く高い。
ナラ(ダメだ!これじゃやられる!)
いったん止まり、走ってきたフーゴをキャッチ。
担ぎ上げて、そのまま塀から塀に飛びうつった。
塀の反対側に飛び降り、フーゴを抱き上げたまま全速力で走る。
後ろから、パシッピシッと乾いた音が追いかけてくる。
ナラ(なんでこんなちっさいんだよぉぉ!!
いつもだって俺より足遅いくせに…今はもっと遅いじゃねーか!
…ちっちゃいし、細いし、軽いし…。
たとえパチンコ玉でも、喰らったら危ないだろうがよぉぉぉ!!!)
が、この攻防戦に待ったをかけたのは、仕掛けていた方のリゾットだった。
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