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《以下の文章は、兵太夫の妄想文です。
内容はひたすら妄想ですが、兵太夫の過去捏造・実家設定捏造などがあります。オリキャラ満載です。
特に回想部分は、子供の虐待に近い表現があり、人によっては気分を害するかもしれません。
そのそれに対する登場人物たちのアドバイスがありますが、あくまで素人の小説なので、肯定しないでください。
中二病的発言は、華麗にスルーしてください。お願いです。 もちろんご本家様とは何ら関係ないばかりか縁もゆかりもございません。そして時代考証など完全に無視しております。訴えないで☆》
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母を乗せた白い行列がゆく。
雪国の冬はすべてが白い。
空も、野も、
雪を除いて作ったわずかな道でさえ、両側は白い壁となってそびえたっている。
その中に、母は無言で進んでいく。
――――母上は、白い世界に連れて行かれるのだろうか…
見送る兵太夫の体内には濁流がながれていた。
悲しいと思えば、何かに対する怒りが込み上げてきたり
怒っているのかと思えば、何もできなかった自分を責めていたり
何もできない・あらがえなかったこの力にふがいなさを覚えていた。
ただ母の後をついていけないことだけは分かっていた。
しかし、
母の死を悲しむ間はなかった。
当主である父から兵太夫の処遇が言い渡されたのである。
「兵太夫を、他所で養育する。」
行く先は忍術学園。
身分の違いなく、入学者はみな忍者としての教育を行う、唯一の学校だ。
読み書きそろばんから、体術・戦術・医術まで幅広く教えているため、
ここには、商家の御曹司や跡取りが、高い教育を受けるために入学している。
だが自分の場合は…
「厄介払い」
その文字が見えた。
この決定に真っ先に食って掛かったのは、兵太夫の後見人となった萩野だった。
重臣たちとの評定が終わり、自室に戻ろうとすることろを捕まえ、
毅然として、殿の名前を呼び、追いすがっていく
萩乃「教育させるのであれば、他所でなくとも、家臣の誰かに預けて養育させるなり、親類続きの他家に預けるなり、
選択肢は様々ございますでしょう!!
少なくともお家の外に出してとは…母方の笹山姓を名乗って生きよとは…。
兵太夫様をお捨てになるお考えでございますか!!」
滝のように駆け寄る老女とは反対に、
老木のようにどっしり構えながら、この城の大殿は歩みを進める
「落ち着け、萩野。
考え合ってのことじゃ。
まずは儂の隠居。そして太郎へ家督を継がせるのが最優先じゃ。」
しかし、その程度ではこの女丈夫は引かない。
そもそも、その根性を買われて、笹山家から付老女として今まで仕えてきたのだ。
萩野「兵太夫様は妾腹とはいえ、お子達の中では出来がようございます!
ゆくゆくはご兄弟の片腕になりましょう!
それを…なぜ乱波のようなまねをさせるのです!!」
父は応えない。
萩野も頭ではわかってはいた。
戦国の時代、家中が内部分裂することほど恐ろしいことはない。
一度ほころびが出れば、それを好機とばかりに、鵜の目鷹の目で狙っている近隣諸国から食い物にされてしまう。
お家騒動などもってのほかだ。
何があろうとも、城と国、それを守るためならば、我が子といえども決定は覆さない。
その意味では、父はまさに政治権力そのもの、支配者の姿と言えた。
しかし…
誰でも、心のどこかに譲れないものがあるように、
ただの側室の老女という立場の萩乃にも
譲れないものがあった。
笹山御前・そしてその忘れ形見…兵太夫…。
たとえ命と引き換えにしても、あの子の生きる道を残してやりたい!
「…いい加減にせい。」
大殿の呆れたような…憔悴しきった顔がため息交じりに向く
千年も万年も歳を経たような顔だ。
がばっと、その前に萩乃はひれ伏した。
萩野「大殿様!!どうか!どうかっ!!
兵太夫様と、御方様のお心に叶うよう!どうぞお計らいくださいまし!
お聞き届けられぬ問いのであれば、どうぞ、ここでこの萩乃をお手打ちになさってください!」
「…良いだろう。」
大殿はゆっくりと懐へと手を入れ、得物を取り出した。
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