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《以下の文章は、『忍たまたちがもし、スタンドを使えたら』ということを前提に書かれた妄想文です。 スタンドを知らない方は「ジョジョ スタンド」でググってみてください。
内容はひたすら妄想ですが、雷蔵の過去捏造・竹谷の実家設定捏造などがあります。 特に雷蔵の回想部分は、いじめに近い表現があり、人によっては気分を害するかもしれません。 また、それに対する先輩たちのアドバイスがありますが、あくまで個人的な意見ですので、この主張が正しいというわけではありません。
中二病的発言もありますが、それは華麗にスルーしてください。お願いです。 もちろんご本家様とは何ら関係ないばかりか縁もゆかりもございません。そして時代考証など完全に無視しております。訴えないで☆》
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…とことことこ
…てくてくてく
廊下に2人分の足音が響く。
雷蔵は医務室から、1年長屋へと作兵衛を送っていた。
作兵衛は、恐縮していたが、雷蔵はどうしても自分で送っていきたかった。
部屋に入り、替えの布や薬を渡しながら、改めて作兵衛の顔を見る。
思いっきり、手加減なしに殴られたようだ…
幼い顔の半分を覆う大きなシップの下からは、赤黒く変色した肌が見えている。
見ているだけで、悲しい、やりきれない気持ちになり、
雷蔵はすまなそうに話し出した。
雷蔵「…大丈夫?作兵衛?
…ごめんね、変なことに巻き込んじゃって。
あの人…君の委員会の先輩でしょう?
これから委員会で大変じゃない?」
作兵衛「いいんですよ!あの人、委員会でも他の人の悪口ばっかり言ってるんで、俺嫌いだったんです。
大体、あんな卑怯な奴、俺の先輩じゃないです。
自分一人じゃ何もできないくせに、人の揚げ足ばっかりとって…。
たまに誰かが何か変わったもの作ったりすると『なんだよあれ?普通あんなもの作んないだろ~。』なんて、
文句ばっかり言って、いいところを褒めようとしないし、
『普通はしない』とか『普通は普通は』って、
一見正しそうなこと主張して、俺らに押し付けようとするんです。
自分でしっかり考えた意見なんて、言ったことないんです。
…でも、いくら嫌な人だからって、生意気な態度とったのは俺ですから…。
俺の責任です。
だから、不破先輩が気にすることないんですよ!!」
…。
雷蔵(強い子だなぁ…。)
作兵衛は顔こそ腫れあがっているが、にかっと笑っている。
今までのうっぷんを晴らしたかのようで、さばさばと話していた。
作兵衛「あ、でも!お願いがあるんですが…
食満先輩には言わないでほしいんです。
先輩、俺が喧嘩したりすると結構厳しいんですよ。
それに上級生にいじめられたとかなると、誰にやられた!!って、
相手を探してとっちめようとするんですよ。
なんだかんだ言っても、心配してくれるみたいで…。
でも今回は、俺の生意気のせいで怪我したんですから、俺が片つけます。
わざわざ先輩に出てもらうなんて、恰好悪いし、
『あいつ自分じゃ勝てないから食満先輩連れてきた』なんて言われたら、悔しいですもん。
自分の尻ぐらい、自分でふきますよ!!」
作兵衛はまっすぐこっちを見つめている。
彼の言っていることには彼なりの筋が通っている。
もし、同級生だったり、対等な相手ならそうしてやるのが、一番いいのだろう。
だが、間違っているとはいえ、相手は作兵衛にとって上級生だ。
力で勝てる相手ではない。
返り討ちに遭えば、今日よりひどい怪我をするかもしれない。
雷蔵(でも…。)
先輩に勝手に告げ口するのは本人の意思に反するだろうが…
万が一の時、自分がかばってやることぐらいはしたかった。
自分は出来る限り見守る立場にいて、作兵衛が自分で自分のことを決めることが、
作兵衛の意思を尊重し、なおかつトラブルに巻き込んでしまった自分の義務ではないだろうか?
雷蔵「…そう…、そうかい。
わかったよ。食満先輩には言わないでおくから。」
作兵衛「ありがとうございます!」
4年生の中でも、特に後輩思いな先輩の顔が浮かんだ。
あの先輩なら、きっとかわいい後輩が怪我をしたとなれば、黙っていないだろう。
しかし、加害者も同じ後輩だ…。
もし、真相がわかれば、あの先輩はどうするのだろう?
…と考えていると、部屋の外から声が聞こえた。
留三郎「おーい、作兵衛~いるか~?」
ぎくっ!!
噂をすれば…間が悪い…。
4年は組の食満留三郎だ。
居留守に思われるのも悪いと思ったのか、作兵衛があわてて返事を返す。
作兵衛「あ、えと…。はい、います。」
がらっ
留三郎「隙ありっ!!くらえっ!お留チャンバラ☆ギガントクロスぅぅ~~~~…
…って、どうした、その顔!!」
どうしたのはお前だ…。
下級生2人はあっけにとられながら、留三郎を見ている。
作兵衛(手には、ほうきとちりとり…間違いない、チャンバラ装備だ…。)
間の悪い上級生は…なぜかチャンバラしながら部屋に特攻してきた…。
しかし、すぐに後輩の異変に気づいたようで、作兵衛の目の前に滑り込んだ。
留三郎「作兵衛!どうした?その顔!!ものすごく腫れてんじゃねぇか!!いったいどうしたんだ!これ!!」
作兵衛「あ、えと、ちょっと怪我しまして…。」
留三郎「怪我!?誰にやられた!?
というか、傷は大丈夫なのか!?歯は?骨は?
こんなに腫れてたらかなり痛いだろ!?」
作兵衛「あ、あの、同級生とちょっとやりあいまして…。
俺がカチンとくるようなこと言ったのが悪かったみたいで…。俺の責任です。
あ、あと、怪我自体は大したことないです!歯も骨も異常ないって、新野先生がおっしゃってました。」
雷蔵「…。」
留三郎「……。
そうか…昨日のチャンバラの続きしようかと思ったんだが…。
まあ、喧嘩するほど元気なのはいいが、早く治すんだぞ。」
急に来て悪かったな。と言い、留三郎は部屋を出て行った。
遠ざかる留三郎の足音を聞きながら、雷蔵はものすごくいたたまれない気持ちになった。
雷蔵「本当にごめんね。食満先輩に対してまで、嘘つかせちゃって。」
作兵衛「いいんですよ、ほんとに。俺のせいなんですから。
不破先輩が謝ることなんか、何にもないです!!」
…。
早く良くなるといいね。と言い、雷蔵は1年長屋を後にした。
部屋まで送ってくれて、ありがとうございました。と、元気のいい1年生は明るく見送ってくれた。
廊下をうなだれて歩く。
自分は情けない…。
あんな小さな子だって、堂々と自分の意見を言ってのけた。
そして、痛い思いをしながらも、周りの者に当たったり責めることをしない。
それどころか、自分の行動に責任を持って、解決するとまで言った。
雷蔵(本当に、強い子だ…。)
自分にはできるだろうか…?
同じことが。
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