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《以下の文章は、『忍たまたちがもし、スタンドを使えたら』ということを前提に書かれた妄想文です。
スタンドを知らない方は「ジョジョ スタンド」でググってみてください。
内容はひたすらおバカですが、先代作法委員長やらオリキャラやら、仙蔵と文次郎のシリアス過去捏造などがあります。
ご本家様とは何ら関係ないばかりか縁もゆかりもございません。そして時代考証など完全に無視しております。訴えないで☆》
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炎の向こうから、
聞きなれた声がした。
――― ギンギンギン
仙蔵(文次郎?)
突然、襲い掛かってくる炎の津波を裂き、文次郎が飛び出してきた。
いや、あれは…
『コウニン・カイケイシ』だ!!
スローモーションのように、『コウニン・カイケイシ』が自分の方へ飛んでくる。
その瞬間、炎の波がすべてを喰らった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あれからしばらくたった。
突然の爆発で、例の砦は壊滅した。
学園長の尽力で、表向きは『内部にすでに敵国の者が忍び込んでおり敗戦した』ということになったが、
実際には仙蔵のスタンドの暴発で、砦が壊滅したのだった。
生存者やその後の砦のことは仙蔵に何も知らされなかった。
しばらく、忍務失敗の罰として、長屋の一人部屋への謹慎となったが、
失敗の大きさに比べれば…軽い罰だ。
おそらく学園長は、仙蔵一人で背負いきれる責任ではないと判断したのだろう。
なにより、本人が一番自分を責めている。
そして、まだわからなかったとはいえ、スタンドを使いこなせてもいない未熟なものに任せた責任も感じていたのだろう。
誰も何も責めなかった。
文次郎といえば…
あの時、砦に侵入したものの違和感を感じ、一度脱出していた。
が、仙蔵が戻らないのを懸念し、様子をうかがっていたところ、火の手が上がったため、
嫌な予感がし、一気にスタンドを突っ込んだそうだ。
スタンドがダメージを喰らえば、本体もダメージを喰らう。
拘束されていた仙蔵を炎から守り、なんとか砦を脱出したとはいえ、
上級生に発見された直後は、全身に火傷を負い、意識不明の重体であった。
かろうじて発見が早く、応急処置が良かったため、回復は早かった。
1か月もするころには、もう普通に生活できるようになった。
大体、元通りだ。
大体…とは?
仙蔵だけがもとに戻らないのだ。
文次郎「おい!!いつまで辛気臭い顔してるつもりだ!!仙蔵!!」
仙蔵「…。」
文次郎の前には、浮かない顔の仙蔵がいる。
医務室から自室へと戻った文次郎の見舞いに来たはずなのだが…逆に文次郎に叱咤されてしまった。
文次郎「前にも言ったけどな。あれは俺自身の判断で飛び込んだんだ。俺の責任だよ。
それに、見た目は派手だったが、実際怪我は大したことなかったじゃないか。
今じゃ痕も残ってねぇ。なのに、何をそんなに悩んでんだ?
忍務に失敗したとはいえ、ありゃあ、もう事故としか言いようがない。
実際、あのままだったら、お前自身が死んでたんだ!!
生きてるだけでも、もうけものと思うより、仕方ねぇよ!!」
仙蔵「…お前はいいな。思考回路が単純で。」
文次郎「はぁ?何言いだすんだいったい?」
仙蔵「私が気になっているのは、私自信の能力だ。
切羽詰まった状況とはいえ、自分にあんな力があるとは思ってもみなかった。
しかも、まだまだ成長する予感がするのだ。いや、確実に強力になるだろう…。
一歩間違えれば、国一つ簡単に吹き飛ぶ。
しかも、無差別だ!自分自身まで巻き込む!!
…実際助けに来てくれた、お前まで巻き込んで重傷を負わせてしまった…。」
文次郎「…。」
仙蔵「今はまだいい!!私の力もまだ弱い!
しかし、これほど確実に、すべてを消滅させてしまう力はなかなかない。
私にその気がなくとも、周りが放っておかんだろう?
もし、万が一…同情や一瞬の迷いで、私の心に隙ができ、そこに付け込まれてしまったら
…私は殺人兵器になるのか!?こんな力を持ったばかりに。」
文次郎「…なるわけねぇよ。」
仙蔵「本当にそういえるのか!?
もし…相手を殺してしまってから、間違いだったと気づいても…もうどうしようもないのだぞ!!
たくさんの人の命と…その人々のそれまでの人生を一瞬で奪うのだぞ!!
償えるか!?私には償いきれん!!」
文次郎「『忍者にとって大切なのは正心!!これがなければ盗賊とかわらん!!』
そう教わっただろう!!まだ理解していなかったのか!?仙蔵!?」
まくしたてる仙蔵を止めるように、文次郎は大声で怒鳴りつけた。
一息ついて、文次郎は話し出した。
文次郎「忍者は忍務をこなすことが最優先の仕事だ。
それは、時に他人の人生を破壊してしまうこともあるかもしれん。
それについては俺も気分良くは思っていない。」
仙蔵「…。」
文次郎「だが、人間は生きている以上、何かのために生きねばならん。
それは、金とか名誉とか、ましてや自分のその日その日の食い物のためではないはずだ。
俺たちは運よく、読み書きそろばんだけでなく、人として大切なことを学ぶことができる場所にいる。
人間が、気の遠くなる年月をかけて積み上げてきた知識や技術、精神を、
自分がその気になればいくらでも身につけることができるんだ。
そして、その中で何がこれからの人の暮らしや時代にとって重要か、考えることができるんだ。
俺は『正しい心』とは、人間の進歩に役立つ、良い人間を支える心だと思っている。
人間の進歩に貢献できる能力を持ち、なおかつそれを実行できる勇気。
そして、そんな能力を持ったとしても決して驕らず、慢心せず、
ましてや他人の過ちを責めたり、制裁する資格があると思いあがることのないよう自制する心。
それが、俺たちには必要だと思っている。」
仙蔵「……。」
文次郎「一つ言っておくが…仙蔵、
正しい心に従って行動したいと思っている人間でなければ、自分の過ちを悔いたり、苦しい思いをしたりはしない。
逆に言えば、その苦しみがあるからこそ、良心が薄れず、真理を見る目を曇らさずにいれるんだ。
お前には良心がきちんとある。そして、正しい心に従って生きようともがいている。
だから、お前がそれを忘れない限り、道を誤ることはない。
それについては、自信を持っていい。」
仙蔵「……そうか。」
文次郎「…と、偉そうなことを言ったが、俺だってこの半分も理解できてる自信はない!
まだまだ悩むのだろうし、答えなんて出ないだろう。
一生かけて問うようなものだ。
鍛練と一緒だ。日々やらなければ意味がない。
俺はそのことを忘れずにいたい。そしてそのために日々学んでいるだけだ!!」
なぁ、そうだろう、仙蔵。
そう声をかけられ、仙蔵は顔を上げた。
その顔は、どこか救われたような、ほっと緊張が解けたような表情を浮かべていた。
仙蔵「そうか…そうだな……
…ありがとう、文次郎。」
>>NEXT
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《以下の文章は、『忍たまたちがもし、スタンドを使えたら』ということを前提に書かれた妄想文です。
スタンドを知らない方は「ジョジョ スタンド」でググってみてください。
内容はひたすらおバカですが、先代作法委員長やらオリキャラやら、仙蔵と文次郎のシリアス過去捏造などがあります。
ご本家様とは何ら関係ないばかりか縁もゆかりもございません。そして時代考証など完全に無視しております。訴えないで☆》
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満月の、いい晩だった。
月見にはいいだろうが、忍務にはとても向かない。
月光から隠れるように、濃紺の影が2つ、ちらちら動く。
仙蔵「適当にその辺を撹乱して、守備を手薄にすればいいんだな。」
文次郎「あぁ、あとは先輩たちが大いに引っ掻き回してくれる。
俺たちはその手伝いだ。」
仙蔵と文次郎は、ある砦が見えるところで待機していた。
この砦の主は、近々隣の領地へ戦を仕掛けるとの噂がある。
…いや、噂というより仙蔵たちの調べでもう確実に戦を仕掛けることが分かっている。
しかしここ近年、この2つの領地に目立ったトラブルはない。
飢饉や一揆も起きてはいない。
これだけ見れば、一方的な侵略戦争だ。
5年生の2人は諜報を主に担当し、その目的を探ることとなった。が、一向にその本質が見えてこない。
その間にも、戦の準備は着々と進んでいる。
仕方なく、学園長は砦内にある武器や火薬などを使用不可能にし、一時的に開戦を遅らせる判断を下した。
2人の役目は、砦内の守備を手薄にし、あとからくる上級生が武器庫や火薬庫を破壊しやすいよう手引きすることだった。
仙蔵「しかし…本当によく似てるな…文次郎が2人いるようで暑苦しくてたまらん…。」
文次郎の背後には、『コウニン・カイケイシ』が100キロそろばんを持って「ギンギン」言いながら待機している。
目の下の隈も本体よりひどいものだから、見るからにうっとおしい。
文次郎「やかましい。大体、ひとのスタンドに文句垂れる前に、自分のスタンドは使いこなせるようになったのか?
お前のところの委員長も『あれってなんの役に立つの?』なんて言ってたんだぞ?」
仙蔵「大きなお世話だ。私のスタンドはつい先日、やっと自分の意志で発動できるようになったばかりなのだ。
他の奴のように、出している状態と出していない状態がはっきりと分かればこんな苦労はないが…。
自分の髪の毛として常に目に見えている分、いつ発動しているのか分かりにくいのだ。」
文次郎「まあ、使ってみないことにはなかなか分からんからな…。
今回使うことはないだろうが…油断はするなよ。」
仙蔵「それは、承知の上だ。」
顔をかくし、気を引き締める。
仙蔵「では、そろそろ行くか…。」
文次郎「おう…。」
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砦内に忍び込んだはいいが…違和感がある。
明らかに守りが薄いのだ。
仙蔵(…どうにもおかしい…。これは引いた方がいいな…。)
その瞬間、後頭部に激痛が走った。
「…動くな。」
仙蔵(…!!)
…。
後ろ手に縛られたまま、どこかに連れて行かれる。
かろうじて意識は失わなかったものの、頭がぼんやりとして働かない。
おそらく、この砦の主要な人物のもとへ連れて行かれるのだろう。
そこで自分の運命も決定する。
連行される間、砦内にいる人々からの視線が否応なく注がれる。
…しかし不思議なことに、自分に向けられる視線に敵意はあっても、軽蔑や嘲りといったものは感じられない。
捕虜となれば大抵、そのような目で見られるのが普通だ。
危害を加える様子もなければ、嘲笑や罵倒の類も一切ない。
目の前を行き交う人々も、規律をしっかりと守っているようで、見えない団結力のようなものが感じられる。
この人々の文化レベルが高いのか、精神的に豊かである証拠だ。
仙蔵(なぜ、このような人々がわざわざ他国の領域に侵略などするのだ?)
実際、この国が困窮しているという情報はない。
むしろなぜ、物資を大量に消耗する戦を仕掛けなければならないのだ?
家紋が入った陣幕の前で待たされる。
おそらくこの中に砦の主がいるのだろう。
入れと言われ、突き出されるように中に入る。
そこには、初老の、とはいっても衰えてなど微塵もいない男性がどっしりと構えていた。
底の見えない沼のような、静かな目が、仙蔵を見据えていた。
…どこかで見たような人だ。こんなに威圧的な態度ではないが、似たような雰囲気を仙蔵は知っている。
砦の主「忍術学園の者か?
介入してくるとは、思っていたが…。」
仙蔵「…。」
砦の主「答えんか…まあそうだろうな。
だんまりを決め込まれても、こちらも時間の無駄なのでな。
一方的にこちらから要求させてもらうぞ。
要求とは、忍術学園はこの件から手を引いてほしいということだ。
これは私たち里の者と、隣国との問題だ。
出来れば、誰にも介入してもらいたくはない。
この要求さえ守ってもらえれば、こちらも学園に危害は加えない。
そもそも無関係の地域の問題に、何も首を突っ込んで損害を被る必要はないのではないか?
…仲間と一緒に来ているだろう?
お主が人質になり、仲間が忍術学園に我らの要求を伝えよ。
学園が要求を呑んでくれれば、お主に危害は加えん。約束は守る。
…が、要求が通らない場合、お主の命も学園の平和もないと思え。」
仙蔵「……確かに、知らぬ顔をすれば学園には何も損害はありません。
しかし、なぜ戦を始めるのか、戦の原因がわからねば学園側としては納得できません。
学園長は、無益な争いをして、両国の情勢が不安定になることを懸念しています。
情勢が不安定になれば、必ずどこかにひずみが出、諸国の均衡が崩れます。
身の丈に合わない野望を持つものも出てくることでしょう。
そうなれば、さらに無益な争いを招きます。その結果は、際限ない乱世です。」
砦の主「確かに、無益な争いかもしれんな…そういった意見もある。
しかし、私たちにも意見と立場があるのだよ。
隣の領地の西の部分…少し風土や風習が違う地域があるだろう?
あれが我が祖先のゆかりの地なのだ。
何代か前の隣の領主に一方的に攻め込まれ、今の土地に追いやられてから、
私たち里の者は一日足りとて故郷のことを思わない日などない。
今は平和的な協定が結ばれているというが、それで私たちの気が済むと思うか?
私たちはすべてをあの土地においてきた。
今まで何百年と営々と積み上げ、作り上げてきたものを一瞬で奪われたのだ。
自分たちの暮らしも、土地も、先祖の墓も、一族の絆も。
…何を百年以上も前のことを…と思うか?
確かに、第三者から見れば、昔の遺物にすがっているように見えるかもしれん。
滑稽にすら見えるかもしれん。
だがな、あれが私たち里の者の誇りと歴史なのだ。心の支えなのだ。
たとえ何百年、何千年たとうとも、その精神だけは、私たちは忘れてはならんのだ。」
仙蔵「それこそ…無益な戦いではないのですか!
何代も前の恨みのために資源を使い、さらに恨みを積もらせるつもりですか!!
そのように大切な誇りと精神なら、今を生きる者たちのためになぜ使わないのです!!」
砦の主「お主はまだ若すぎる…理想を信じていられるからこその意見じゃ。まだわからんだろう。
世間でいう理想や正義など語っているのは、伝え聞いたことをそのまま言っているような上っ面の輩ばかりだ。
確かに間違ったことは言っておらん…が、そんな浅知恵だけで善悪を決めることはできん。
私たちにとっては、先祖から受け継ぎ、積み上げた暮らしと、一族への思いが、人生を生きる上での規範だったのだ!!
それを奪われ、あげく第三者に、そのようなことよりも未来のために生きよと言われても納得などできん!!
……。
…賢明な大川殿なら分かってくださるとは思うがな…。
もし断るというのであれば、悪いがこちらにも考えがある。」
戦の理由はわかった…。
しかし、同情するわけにはいかない。あくまで学園側は開戦には否定的なのだ。
彼らの一族への思いより、未来の戦乱を止めることの方が仙蔵にとっても重要だった。
と言って、ここで真っ向から反論するわけにはいかない。
命乞いするわけにもいかない。
ここで心が弱れば、隙が出れば、自分が殺される。
…いや、殺されるならまだいい。人質に取られ、自害もできなくなればただの足手まといだ。
そして、一緒に忍務についている文次郎、ひいては忍術学園全体に火の粉が降りかかるだろう。
それだけは、どうしても阻止しなければ!!
砦の主「…答えはこの場で、今すぐ、だ。
まさか逃げ出そうという考えもなかろう?
お前の武器はすべて奪い取ってある。
よもや予備の武器などもないだろう。」
仙蔵「……。」
砦の主「さあ、決断せよ。」
仙蔵「予備がないのは私ではない…お前たちの方だ…。」
次の瞬間、黒髪が舞った。
仙蔵の髪が、スタンドと化す。
何が起こるか、自分でもわからない。
だが、ここでやらなければ!!
仙蔵「舞えっ!!『サホー・サラスト』!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
…一瞬のうちに勝負はついた。
というより、これは勝負というのだろうか?
敗者の姿がない。
仙蔵(なんだこれは?)
仙蔵を中心に、半径5メートル。根こそぎ何もなくなっている。
そして、当たりは一面、炎だ。
何が起こったのか…分からない…。
いや、分かりたくないと拒否している。
自分が殺されていたかもしれない恐怖感より、今自分がしたことへの恐怖感が勝った。
そんな仙蔵を責めるかのように、
炎の津波が襲ってくる。
逃げられない!
…いや、逃げたいのだ
…この状況から
…罪悪感から
―― 死ねば、償えるのか?
>>NEXT
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《以下の文章は、『忍たまたちがもし、スタンドを使えたら』ということを前提に書かれた妄想文です。
スタンドを知らない方は「ジョジョ スタンド」でググってみてください。
内容はひたすらおバカですが、先代作法委員長やらオリキャラやら、仙蔵と文次郎のシリアス過去捏造などがあります。
ご本家様とは何ら関係ないばかりか縁もゆかりもございません。そして時代考証など完全に無視しております。訴えないで☆》
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文次郎「あ、おい!!仙蔵!!いいところに…。」
ベシッ!!
仙蔵「なんだ?文次郎?」
文次郎「~~~~っ!
て、てめぇ!!『振り向きざまに髪の毛を顔面に当てるのはやめろ!』とあれほど言ってるだろうが!!」
仙蔵「そういわれてもな。これが私のスタンド能力なのだ。
お前が日々鍛錬するように、私も日々、技を磨きたいと思ってな。
第一、5年生にもなるのだから、よけて当然だろう?」
文次郎「バカタレぃ!!お前は確信犯すぎる!!」
脱・おかっぱ宣言から4年。仙蔵の髪は背中の中ほどまでのびた。
もともと癖のない、きれいな髪質であったため、今では誰もが羨む学園のサラスト・ナンバーワンだ。
…そして、『振り向きざまにわざと顔面に当てて地味に痛い攻撃』までできるようになった。
『サホー・サラスト』
仙蔵のきれいな髪の毛…それが仙蔵の、文次郎に言わせると厄介な、スタンドである。
文次郎「まあ、それは置いといてだな!
うちの委員長からお宅の委員長へ伝言だ!!
『今日中に予算案を提出しろ。』だと!!
もし提出がなかった場合!予算はこっちで勝手に決めさせてもらうぞ!!」
仙蔵「なんだと…あの人はまた…。まだ予算案を提出してなかったのか!!」
思わず額を押さえる仙蔵。
仙蔵の所属する作法委員会の委員長は、基本的に自分の趣味にしか興味を示さない人間であった…。
これもこれで十分困る話なのだが、
さらに困ったことに…3年生の綾部喜八郎が、これまたそっくりな性格なのである。
大丈夫か…2年後の作法委員会…。
仙蔵「あ~…わかった。私から言っておく…と言っても聞かないだろうがな…。
あの人が真面目に書類を提出するなど、土井先生が練り物を完食するぐらいありえん…。
まあ、いつものとおり、私が提出することになるだろうが…。」
文次郎「だろうな…だからこそ、俺も直接お前に言いに来たわけだが…。」
仙蔵「とにかく、今日中だな。まあ何とか頑張ってみるさ。」
文次郎「無理・無駄な予算は認めんぞ!!何事も節約を心がけた予算案を提出してくれ!!
俺だって、スタンドで応戦するのは不本意だからな!!」
仙蔵「あ~分かった分かった。」
…。
伊作「仙蔵のとこも、なかなか大変だね。」
廊下を歩く仙蔵の前にひょっこり現れた伊作。
落とし紙の補充にまわっていたらしく、大きな風呂敷をしょっている。
仙蔵「伊作…。そういえばお前のところも予算はきついんだったな…。」
伊作「そうなんだよ~。」
仙蔵「なるべく会計委員とは対立せず、予算はいただきたいところだな。
特に文次郎と一騎打ちはしたくない…。」
伊作「??そんな、仙蔵にだって勝ち目がないわけじゃないでしょう?
それに、5年生同士の一騎打ちなら先輩方も止めないんじゃないの?」
仙蔵「まさか!文次郎の『コウニン・カイケイシ』と張り合うつもりはさらさらない。
あれは小平太と似たようなスタンドで、パワーとスピードが持ち味なんだ。
私のスタンドとは全く性質が違う!!
対戦したところで、スポーツのように勝ち負けがはっきり決まるとは思えん!!」
『コウニン・カイケイシ』
それは、『忍術学園七不思議・真夜中のギンギン鬼』の出所となった、文次郎のスタンドだ。
そもそも、七不思議の原因は、文次郎が真夜中に鍛練と称して、2本のクナイを頭に角のようにつけて
あちこち飛び回っていたのが原因なのだが…。
仙蔵はこの姿で鍛錬に行く文次郎がこの上なく嫌だった。
普通に友達だというのも、なんか微妙なのに、ましてや同室だ。
正直やめてほしかった。
が、当の文次郎は仙蔵が何を言ってもやめず、
先生方に相談すれば、「まあ…なんだ…そんなお年頃なんだ…。」と言われる始末。
挙句の果てに…出てきたスタンドは、そんな痛々しい文次郎の姿そっくりだった…。
スタンドはその人の精神…精神的な成長などがない限り、基本的に変化しない。
『コウニン・カイケイシ』…あの姿は、文次郎の『絶対消えない青春の赤っ恥』になるだろう。
仙蔵「それに、あれはあれでしつこいのだ。
…一度、実習で文次郎が意識不明の状態になって帰ってきたことがあったろう…?
あの時は夜になってから、『コウニン・カイケイシ』の小型スタンドが枕元に立って
『1円合わない!!ギンギン!!1円合わない!!ギンギン!!』と一晩中うるさくてな、寝るに寝れんかったのだ。」
伊作「…あぁ~。ああ見えて文次郎、結構しつこいからね…。」
仙蔵「まあ、次の日には奴の意識が戻ったから、まだよかったものの…。
あのままあの世に送っていたら、一生呪われるところだったわ…。」
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《以下の文章は、『忍たまたちがもし、スタンドを使えたら』ということを前提に書かれた妄想文です。
スタンドを知らない方は「ジョジョ スタンド」でググってみてください。
内容はひたすらおバカですが、先代作法委員長やらオリキャラやら、仙蔵と文次郎のシリアス過去捏造などがあります。
ご本家様とは何ら関係ないばかりか縁もゆかりもございません。そして時代考証など完全に無視しております。訴えないで☆》
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…だかだかだかだか
ばんっ!!
仙蔵「文次郎!!私はおかっぱをやめるぞ!!」
文次郎「はぁ?…なんだいきなり?」
ここは1年長屋のい組部屋。
ここの住人・文次郎は、息せき切って駆け込んできた級友を不思議そうに見た。
ここのもう一人の住人・仙蔵は癖のない髪を肩のあたりできれいに切りそろえた髪型をしている。
いわゆるおかっぱだ。
色白の肌と少女のような顔つきによく似合っていると文次郎は常々思っているのだが、
本人は今しがた、おかっぱをやめると宣言した。
見れば、仙蔵は涙目で悔しそうに憤っている。
文次郎「おかっぱやめるって…なんだよ、
昨日留三郎に『やーい、こけし!!』とか言われたのがそんなに悔しかったのか?」
仙蔵「それも悔しいが!!もう我慢ならんのだ!!
さっき学園長先生のお使いで、カステーラさんに届け物をしたのだがな!
そのときカステーラさんに
『オー!!ジャッパニーズ・オカッパ!!ザシキワラーシ!!』とか言われたのだぞ!!
誰が座敷童だ!!私は妖怪ではない!!」
文次郎「ブッ…!!(プルプル)」
必死に笑いをこらえる文次郎。
文次郎(いかん…笑ったら殺される…!!)
仙蔵「しかも!!私は座敷童ではない!!忍者だ!!と言ったら、
『オー!!ジャッパニーズ・ニンジャー!!シュリケン・シュリケン!!ハットリクーン!!』とか言われたのだぞ!!
誰がぐるぐるほっぺのどんぐりまなこだ!!」
文次郎「…忍者は自分から名乗るものではないだろ…。(プルプル)」
仙蔵「とにかく!!もうおかっぱは嫌だ!!
私は髪を伸ばすぞ、文次郎!!」
…思えばその時に能力が目覚め始めていたのかもしれない。
髪型を変えるというのであれば、短くするという選択肢もあるのだ。
のばすより手っ取り早く、気分もすっきりする。
なぜあの時、仙蔵は短くすると言わなかったのだろうか?
きっと運命のようなものが、その時動き出していたのかもしれない…。
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《以下の文章は、『忍たまたちがもし、スタンドを使えたら』ということを前提に書かれた妄想文です。
スタンドを知らない方は「ジョジョ スタンド」でググってみてください。
内容はひたすらおバカですが、小平太と長次の過去捏造がちょっくら入ります。
ご本家様とは何ら関係ないばかりか縁もゆかりもございません。そして時代考証など完全に無視しております。訴えないで☆》
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仙蔵「小平太、お前…昔、門限ぎりぎりに人間魚雷特攻で、閉まりかけた門に滑り込んだことがあったな…。」
文次郎「あぁ…あの時は大変だったな…。忍術学園の正門が大破したばかりか、
ちょうど門を閉めようとしていた小松田さんにも直撃して、全治1か月の大けがだったんだからな…。」
小平太「何を言う!!あの時、一瞬でも判断とスピードが遅かったら、
『小松田・閉門クラッシュ』を食らっていたのは私なんだぞ!!
それに!後から来た長次だって、入れなくなったじゃないか!!」
小平太が出したもの…
それは小平太にそっくりな姿のスタンド・『ハカイシン』だった。
土砂降りの中、門限ぎりぎりに帰ってきたあの時、
小平太は閉まりかけた門に突っ込みながら、必殺技・『いけどんラッシュ』を叩き込んだのだった。
自分だけならまだいい。自分の行動で迷って遅れて、罰を受けても自分の行動が招いた結果だ。それは仕方ない。
だが、長次は違う。
自分のために一緒に来てくれ、一緒に迷い、自分の予測が甘かった結果で遅れたのだ。
自分のせいで、長次まで巻き込むわけにはいかない!!
その一心で特攻した結果、出現したのが『ハカイシン』であった。
そして…このスタンドは、今ではパワーとスピードにおいては忍術学園最強のスタンドである。
仙蔵「とにかく、今日は早めに寝て明日のテストに備えろよ。
せっかく長次が協力してくれたんだから、その気持ちを無駄にするなよ。」
小平太「おう!!長次のおかげで、教科書の中身はもうしっかり覚えたからな!!
もう不合格になることはない!!
今日はしっかり寝て、明日はきっとばっちりだ!!」
テストに合格したら長次に何をしてあげようか?
いや、もうすでに長次は…テストのたびにどこかに連れっててくれなんてことは言わない。
実現したい大きな理想があるのだ。
それは、人として生まれた誰もが…親や兄弟を亡くした子でも…何の不自由もなく本が読め、たくさんの経験ができる世の中。
その知識や経験、能力を、いかんなく発揮できる世の中を願っている。
そして、長次の理想を形にするのが私の役目なんだ。
私は、そのために今、力を養っているのだ。
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こうして、小平太は何回目かわからない再テストを受けた。
本人は自信満々だったが、なぜかまた不合格であった。
小平太「う~む…なんっで間違ってるんだぁ~長次~。」
長次「…小平太…ちょっと答案を確認してもいいか?」
小平太「ん?あぁ、いいぞ!」
答案を渡す小平太。
長次はそれを受け取り、一目みた瞬間…
…不気味な満面の笑みを浮かべ、臨戦態勢へと突入した。
六年ろ組 七松小平太 3点
『Q:古墳について説明しなさい。』
『A:忍たまの友31ページ参照』
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長次 スタンド:ゴールデン・リヴァー
(黄河を思わせるような大河のイメージが背後に現れる。中国四千年の歴史を思わせるような悠久の流れ。
必殺技『コモンジョ・カイドクセヨ』を発動すると、その物語に取り込まれ、その物語が終わるまで出られない。
普段は本を読むのが苦手な小平太の勉強を手伝うために使ったりしているが、本気を出すとかなりの精神攻撃。
特に『三国志』『水滸伝』『徳川家康(山岡荘八)』なんかに取り込まれた奴は、長すぎて物語が終わる前に確実にリタイヤする。)
小平太 スタンド:ハカイシン
(とにかく物を壊す。普段は本体である小平太の言うこともあんまり聞かない。基本、本能に従う。
が、ここぞというときには意外と一番頼りになる。
パワーとスピードにおいては最強のスタンド。必殺技はパンチを高速で相手に打ち込む『いけどんラッシュ』
ラッシュ時の掛け声は『いけどおおおおおおおおおん』)